「社長のための会計事務所」とは、
基本理念に賛同する税理士が集まった「団体、グループ」の名称です。
組織を作るということではありません。
実践するための勉強会や研修会は行いますが、
基本方針に沿って、税理士個人が自覚と責任をもって活動します。
税理士に限定したのには二つの理由があります。
一つは、税理士が関与している企業の多くは、小規模企業の社長たちです。
彼らはとくに経営学を学んできたわけでもないし、
会計に詳しいわけでもありません。
見よう見まねで経営をしている社長も少なくありません。
彼らが気軽に頼れるのは一番身近にいる税理士です。
もう一つは、誰よりも「会計の実務」に詳しいからです。
会計情報を経営に活用しようと思ったら、
現場での実務経験がとても重要になります。
会計及び会計に付随する情報を整理し、
社長とともに考え、
社長自身が経営に使えるようにする
これが基本理念、社長のための会計事務所のミッション(使命)です。
社長と税理士が、この理念の実現に向かって知恵を絞り、提案し合い、
一緒に考えることで、結果、企業の発展に貢献し、
そして税理士本人及びその事務所で働く所員の幸せにつながることを
目指しています。
会計及び会計に付随する情報とは、
社長が経営を行っていくうえで必要な情報のことで、税理士が扱える情報です。決算書はもちろん、そのもとになる仕訳情報、あるいは売上に深くかかわる
販売や顧客情報、さらには資金、製造、人事など、
この先を考えるうえで必要な情報です。
情報には、コンピューターから出力されるデータを含みます。
整理とは、整理整頓を意味します。
社長にとって使ってもいい情報と、使ってはいけない情報を、
社長と一緒になって整理します。
大企業向けの経営分析や管理会計などは、小規模企業の社長方には
役に立ちません。
それよりも、もっと本質的な部分、根本的な考え方の部分まで
踏み込まなければなりません。
税理士は、まずは本音で社長たちに向き合うことが必要です。
社長とともに考え、社長自身が経営に使えるようにする
税理士は、社長方に対して一方的に指導する傾向にあります。
説明や解説をしたがります。毎月報酬をもらっているので
「しなければならない」と思い込んでいる税理士もいます。
社長の気持ちも考えずに、です。
ですから一方的な決算書の分析や解説は行いません。
税理士が一方的に教えたり指導したり分析してあげるという行為は、
社長の気付きや発見を奪ってしまいます。
お互いに尊重し合い、お互いが向上するためです。
最終目標は、社長にとって必要な会計情報及び会計に付随する情報を、
社長自身が経営に使えるようになることです。
そのために、整理された情報を具体的にどう経営に活用すればいいのかを、
社長と税理士が一緒になって考えます。
日々会社が時間と費用をかけて作成した会計情報を、
税務申告のためだけに使うのは、とてももったいない話です。
「会計情報を経営に活用しよう、何とかしたい」
と真剣に考えている社長方のために、税理士は、正しい方向に力を発揮し、
積極的に提案し、業績向上につなげていかなければなりません。