続)「決算書くらい読めないと」と言う立場、言われる立場

なぜ、決算書が重要視されるのでしょうか。

決算書がわかるようになると「なにかいいこと」があるのでしょうか。

「決算書がわかる(読める)」とは、

 

① 決算書を作成できる能力

② 決算書の異常値を追求できる能力

③ 決算書を分析できる能力

 

では決算書がわかるようになると

「なにかいいこと」があるのでしょうか。

 

大企業の社員は「決算書が読める(わかる)」ことで

昇進して給料が上がるかもしれません。

あるいは、経営陣との経営の話に加わることが

できるかもしれません。

 

税務署の調査官は決算書が読めないと調査ができませんし、

会計事務所では監査や決算書の解説ができません。

 

では中小企業の社長にとっては

どういうメリットがあるのでしょうか。

 

もしかしたら、銀行から融資を受けるときに、

「おっ、会計がわかる社長だな」ということで、

有利に進むかもしれません。

税務申告のとき、税理士との会話がスムーズに進み、

もしかしたら節税のアイデアが出るかもしれません。

 

しかし、決算書の役割は企業の業績報告書であって、

それ以上でも以下でもありません。

社長にとって決算書とは読むものではないし、

わかるものでもないのです。

 

決算書に載っているのは【勘定科目と金額】だけです。

社長が決算書を「ながめて」、

まずしなければならないのは決算期末での現状確認、

それはイコール当期のスタートの確認です。

 

◎当期は手持ち現金預金3千万円から始めるぞ!

◎売掛金は8億円もあるのか(再認識)

◎受取手形がいつもより多いな

 (つぶやき・減らしたいなという願望)

◎仕掛と製品在庫はこの金額からスタートか

 (今年はどういう生産計画でいくかの再確認)

◎新製品開発費はあと1年で償却が終わるのか(ひとりごと)

◎それにしても短期借入金は全然減らないよな

 (愚痴・どけんかせんといかんばい!)

 

決算書とは、

「今期はここからスタートなんだ!」ということを

正しく認識するための書類と考えてみてはいかがでしょうか。

もちろん重要なのは「この先どうする!」「どうしたい!」です。

 

当座比率や総資本回転率の意味がわかっても、

売上を増やす方法は思いつかないし、

将来の売上高を計算することもできません。

 

経費はある程度見積もることができても

この先、どの商品が売れるのかはわかりません。

見込みや計画は立てられますが、

ホントに実現できるかどうかは、

「やってみないとわからない」のです。

 

だから計画は立ててもしょうがない

 

のではなく、

 

だから計画を立てなければならない

 

のです。

 

 

では私、宇野寛は「決算書は読めるのですか?」と聞かれれば、

決算書や試算表は確認する程度、

異常値があれば追求しますが、

「あっそ、こんなもんか」というのがホントのところです。

 

決算間近になれば

「法人税や消費税はどのくらい納めなければならないのか」

もちろん気になります。

キャッシュに関わる重要な項目だからです。

 

経営者にとって重要なのは、常に【先のこと】です。

 

○利益はいくら残す計画なのか

○期末にはキャッシュをなんぼ残す予定なのか

○社長がやりたいことを実行すれば

 期末の決算書はどんな状態になっているはずなのか

 

です。

 

会計では「利益がいくら残ったのか?」を計算することが目的ですが

経営は「利益やキャッシュをいくら残すのか!」です。

そしてそれは「会計情報を経営に活用すること」でもあるのです。

 

(ITS宇野寛) 

 


 

本来、会計データには経営情報が詰まっています。

なぜそうなったのか、これからどうすべきなのか、

という情報を経営に活用しない手はありません。

経営情報のなかでは最も価値のある情報であり

警戒警報の役目も果たします。

 

2016年9月14日(水)

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