070.MQ会計とコンサルティング

コロナが落ち着いたら「プロ向けのMQ会計講座」を開きたいと思い、

ここ数年、研究を続けています。

 「プロ向け」とは税理士やコンサルタント、士業向けの

「伝える側のMQ会計」の講座です。

 

なぜMQ会計を学びに来たのですか?

 

これまでMQ会計セミナーに参加したプロの人たちから話を聞くと

動機はさまざまです。

 

決算分析や月次決算の解説がマンネリ化してきた

何か目新しいサービスを提供しお客をつなぎ留めたい

経営者と真剣に数字を使った経営の話をしたい

決算書の解説をしても反応が良くない

話しは聞いてくれるがときどき「何を言っているんだ!」

 という顔をされる

 

毎回同じような話題なのでネタが尽きた

決算書だけでは本質にたどり着けない

計画を立てませんかと提案するのだが乗ってこない

MQ会計ならわかりやすいので身につけて分析に使いたい

 

現在開催を中断しているMQ会計講座ですが、

コロナの前は、いつも参加者の半数が

税理士コンサルタントなど「伝える側の人たち」でした。

 

セミナー後の交流会では、

 

「現場でどのようなコンサルティングをしているのか?」

 

と聞かれます。

 

MQ会計を使ってどのように分析し解説し

指導しているのか、興味があるようです。

 

が、

 

「分析も解説もしていません」

 

という私の話を聞いて唖然とします。

私の答えは「想定外」のようです。

 

 

これまで出会った社長方(MQ会計を実践する側)の話を聞くと、

「税理士が一方的に資料を作り一方的に解説している」

というイメージが定着しているように思います。

 

よくある「経営分析やツールを使った分析」、

社長たちの意見を無視しての一方的な分析や解説です。

 

そもそも

 

なぜ分析するのか(したがるのか)

なせ解説するのか(したがるのか)

分析や解説の結果、何を伝えたいのか

 

MQ会計で分析や解説を始めるとどうなるでしょうか?

 

Pが低いですね、、、

Qを1割増やせば、、、

m率の低い商品を減らして、、、

 

これでは

 

売上を増やしましょう

原価率を下げましょう

固定費削減

 

と同レベル、これまでのやり方と変わりません。

MQ会計をやる意味が薄れてしまいます。

 

 

先週、山陰地方の商工会から呼ばれて

地元の経営者に向けてのMQ会計講座を開催しました。

 

経営者のほかに商工会の経営指導員の人たち、

「MQ会計を伝える側」の人たちも参加しています。

指導する側の人たちに向けてのメッセージも盛り込んだ研修です。

 

指導員のひとりが次のような話をしてくれました。

 

指導員研修のための経営講座に参加したときのこと、

 

飲食店では「歩留まり」がカギを握る

ロスを少なくすることで原価率を下げることができる

粗利は「額」ではなく「率」で考えることが重要

 額で考えるとややこしくなるから

 

講師が自身の指導のもとに、

食材のロス率を少なくすることで利益が出たという飲食店の事例紹介です。

 

講師はその業界の「伝える側の人」です。

 

ところが、

 

2番目の講師は旅館の経営者、

現場で経営している「実践する側」の話です。

 

彼が依頼したコンサルタントが言うには、

料理の原価率が高いことが赤字の原因

原価率を下げることが赤字を解消するうえで緊急課題

しかし、なかなか実績につながらない

 

ある日、料理長から提案が出た。

 

米をもっと良いものに変えませんか

食材はこれとこれにしましょう

 

コンサルタントとは正反対に原価率が高いものばかり。

しかし、その結果は、口コミでお客が増え、

業績向上につながっていきます。

 

コンサルタント(伝える側)の話と、

旅館経営者(実践する側)の話の中身は正反対です。

 

なぜこの2人が同じ日に続けて講師に選ばれたのか、

参加した指導員には不思議だったというのです。

 

 

興味深いこの2つの事例を

 

受講者が経営者(実践する側)だったらどのように感じるのか、

受講者がコンサルタント(伝える側)だったらどう思うのか、

どのように受け止め、どちらを実践したいと思うのか、

ここが重要だと思いこの事例をあえて紹介しました。

 

数字が苦手な経営者は、

もしかしたら「肩書のエライ先生」が言ったことを

信用してしまうかもしれないし、

ますます赤字が増える結果になるかもしれません。

 

ところが、研修に参加した彼(指導員)は

最初のコンサルタント(伝える側)の話を

「これはオカシイ!」と思ったようです。

 

偉い先生が言ったから、、、

 

ではなく

 

これはオカシイ!と思う「思考力」を

経営者に伝えていかなければならない。

同時に考える力も伸ばしていかなければなりません。

 

私が現場で「分析も解説もしない」理由の一つです。

 

 

もし読者が「伝える側の人」だったら、

「○」か「×」で考えてみてください。

 

1.粗利益率を上げるには率の高い商品を多く売ればいい

2.飲食店では原価率を30%~35%以内に抑えられれば利益が出る

3.赤字の原因の一つは粗利益率が落ちていることだ

4.MQの平均値は高いほうが良い

 

5.流動比率は200%以上が望ましい

6.労働分配率は50%以内に抑えるべきだ

7.経常利益率は10%はほしい

 

たとえば、

 

「1.粗利益率を上げるには率の高い商品を多く売ればいい」

 

多くの営業マンはこのことに疑問をもちません。

当りまえのように思われています。

 

では、

 

なぜ、

 

粗利率の高い商品を多く売れば利益が増えるのでしょうか?

 

 

(つづく)

 


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