1. Qとは何か?

 税務会計や管理会計とMQ会計との大きな違い、それはQの情報があるかどうかです。Qは「外部の数量」です。生産数量や仕入数量など「内部の数量」ではありません。外部の数量とは客数、物件数、商品や製品の販売数量、重量、長さ、プロジェクト数、ロット、工事件数などです。

 店舗数や社員数、部門数のような内部の数量をQにしても意味がありません。かりにこれらをQに設定した場合、そこから計算される P・V・M は、一店舗あたり、社員一人あたり、一部門あたりになってしまいます。決算書の経営指標(一人あたり売上高、一人あたり経常利益など)と同じになってしまうのです。

 「一人あたり経常利益を増やすには?」と考えてしまうと、社員一人一人がコスト意識を持とうとか、一人あたりの生産効率を高めようとか、発想が内向きになってしまいます。

 Qは会社の思い通りにならない値です。Qの先にはつねに相手がいます。Qは会社の外にしか存在しません。それがQの情報です。

2. Qの単位

 MQ会計では「Q」の設定が重要になります。缶コーヒーを例に考えてみます。缶コーヒーを仕入れて販売、あるいは製造している会社では、単価構造(P・V・M)の単位は「円」、販売数量(Q)の単位は「万本」、全体のMQ会計における単位は「万円」です。

 缶コーヒーを仕入れて販売している企業のVは、缶コーヒー1本の仕入原価です。缶コーヒーを製造している企業のVは、缶コーヒーを製造する際の原材料費(販売数量Qに比例する缶と中身の液体)です。この数字だけを見ればPQとGの間には「相関関係はない」ということがわかります。